溶融亜鉛めっきについて
 村上工業株式会社では、「溶融亜鉛めっき施工ライン設備」を有しております。また、さまざまな「溶融亜鉛めっき」施工についてのご相談をお受けいたします。お気軽にお問い合わせください。

   
「溶融亜鉛めっき」について
     ・腐食の原理について
     ・「溶融亜鉛めっき被膜」とは
     ・皮膜の有効性(犠牲防食)について
     ・耐用年数
     ・皮膜の完全性
          

Q.鉄鋼の腐食は、どのようにして起きるのですか?


A.鉄は大気中や水中などにそのまま放置すると腐食します。その速度は顕著で、速いものでは数分で腐食し始めます。
 金属材料の腐食は、電気化学的反応として進行します。鉄の腐食反応についての原理は、以下のようです。

 中性水溶液中に鉄を浸すと、以下の反応を起こします。


 鉄は鉄イオンと電子を放出(鉄の溶解:アノード反応)。
             …….(1)
 放出された電子と水溶液中に溶けている酸素、水が化学反応を起こし塩基を生成(カソード反応)。

 …….(2) 

1 通気状態(非脱気)の中性水溶液における鉄の腐食を示す模式図
(軽金属溶接Vol.44 No.7より引用)


上記①②を繰り返すことにより、鉄は溶解し、腐食は進行します。

                                 

Q.では、この腐食を防止する方法はありますか?

A.この腐食を防ぐひとつの方法として、腐食のない健全な金属の表面を皮膜で覆い、外気や湿気を遮断し、鉄の酸化を防止する方法が挙げられます。

                                 

Q.皮膜といいますと、塗装皮膜が思い浮かびますが?

A.皮膜を施す方法として塗装皮膜が考えられますが、塗装皮膜は不完全で、湿気などを通してしまいます。吸湿した塗膜はいずれ破壊され、鉄素地が現れることになり、腐食は進行します。また、塗装皮膜は鉄素地との化学的結合はなく、結合力も小さいものとなります。

                      
  

Q.では、防食の方法として最適な皮膜を教えてください。

A.最適な皮膜方法のひとつとして、「溶融亜鉛めっき皮膜」が挙げられます。溶融亜鉛めっき被膜は、塗装皮膜とは違い化学的に鉄素地と結合しています。結合部はなどの合金が連続的に結合していますので、素地と皮膜との境界がなく、皮膜の強度は非常に大きくなります。

2 合金層の一例(金属表面技術協会編:金属表面技術便覧より引用)



Q.「溶融亜鉛めっき皮膜」の有効性について、他に挙げられることはありますか?


A.一般的には鉄に湿気や雨水などの水分を与えると鉄と水分は酸化という化学反応を起こします(図1参照)。しかし溶融亜鉛めっき被膜では、鉄と亜鉛に「犠牲防食」と呼ばれる関係が存在します。
 犠牲防食とは「カルバニ電池」と呼ばれる電池の原理を利用して腐食の進行を抑える技術です。電池ですから極があり、鉄は+極(約-0.6V)で亜鉛は-極(約-1V)になります。また電池ですので、鉄と亜鉛には電位差が生じ、電流が鉄から亜鉛へ流れ、逆に電子は亜鉛から鉄へ流れます。鉄が自らの酸化で消費するはずの電子を亜鉛の電子で補うことになり、鉄は正常な状態を維持することができ、結果的に鉄の腐食を抑えることが出来ます。これを「犠牲防食作用」と呼びます。
  この「犠牲防食作用」により、たとえ小さなひっかき傷のようなものが皮膜に存在しても、鉄を保護することが出来ます。溶融亜鉛めっき被膜は、強固で密着性が非常に高い合金層の存在や「犠牲防食作用」により、他に類を見ない強固な耐食性を実現します。

                                 

Q.「溶融亜鉛めっき被膜」の耐用年数はどれ位なのでしょうか?

A.溶融亜鉛めっきの耐用年数は非常に長く、めっき厚85μの場合で田園地帯などのクリーンな環境では30年以上、海浜で20年以上、一般の工業地帯でも10年以上耐用するといわれています。めっき膜厚が厚いほど溶融亜鉛めっき被膜の耐用年数は増えます。メンテナンスフリーでコストパフォーマンスが非常に優れた防食方法であるといえます。

                      

Q.塗装皮膜や電気亜鉛めっきなどでは、例えば鋼管内径部位などの手の届かない箇所を皮膜で覆うことは難しいのですが、溶融亜鉛めっき被膜においても同じことが言えるのではないでしょうか?

A.溶融亜鉛めっきの被膜は、鋼管内径部位などの手の届かない場所でも完全に皮膜を形成することが出来ます。ですので、目に見えない箇所や手の届かない箇所も安心して腐食に対応することが出来ます。





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